第二回公開勉強会

<名も無き市民の会・第二回公開勉強会>
ネット保守派の総選挙総括 〜私たちの主張を現実の政治に反映させるためには〜

日時:9月13日(日曜日)18時30分〜21時00分
場所:中央区京橋プラザ区民館
テーマ:「ネット保守派の総選挙総括
     〜私たちの主張を現実の政治に反映させるためには〜」
講師:二瓶文隆先生(自民党中央区議会議員)
吉田康一郎先生(民主党東京都議会議員)
中川譲先生(社会学者、MIAUインターネットユーザー協会理事)
参加者:20名

 当会の公開勉強会第二回目のテーマは、「ネット保守派の総選挙総括」。

 民主党が300議席以上を獲得し自力で政権交代を実現させると言う結果で幕を閉じた今年8月の総選挙を、二瓶文隆先生、吉田康一郎先生、中川譲先生の三人の講師の先生方の視点で振り返って頂きました。それと同時に、当会を筆頭とする「ネット保守派」層が実際の政治を動かすにあたって足りていない点がどこであるのかなど、講師の先生方に具体的にご指摘いただくという趣旨の勉強会となりました。

 ネット発の市民団体が行う勉強会としてはあまり前例のないコアなテーマの勉強会であり、かつ開催直前の告知であったにもかかわらず、20人ほどの参加者がありました。参加者から総じて好評をいただいている事からも、今後の「ネット保守派」のあり方を考える上で重要な会合になったと自負しております。

 ご参加くださった皆様には改めて御礼申し上げます。


 会合の最初に講演いただいたのは、自民党中央区議会議員・二瓶文隆先生です。

 自民党に不利な状況の中、中央区選出の深谷隆司議員を地元区議の一人として応援しつつ、郵政選挙と今回の総選挙の結果を見ても明らかな様に「極端な結果」を生みやすい小選挙区制の弊害(自民党は得票的にそこまで大敗していないのに議席数で差が開きすぎており、小選挙区の二番手になった自民候補を応援した票は「民意」としてどう政治に反映されるのかなど)を直に感じた事、また自民党のネガティブキャンペーン「(通称)ギャンブルパンフレット」の配布を拒絶した事など、正々堂々選挙に取り組んだ本道の保守系議員らしい感想を述べて下さいました。

 また、民主党には思想的に極端な左派議員を切り捨ててもらい、日本の国会がしっかりとした二大保守政党体制に向かう事を望んでいる事など、二瓶先生独自の国会観もご披露いただきました。

 ネット保守層に対しては、政治議論のツールとしてネットを利用するのは良いが、最終的に状況を動かすにはじかに議員や政治関係者と向かい合う必要がある事など、やはり「ネット保守」に対してはやや手厳しい指摘をいただきました。これからは民主党の新人議員を含めて「保守政治」の重要性を具体的に広げること、いわば「議員を(私たちが)育てる」時代になった事を改めて痛感されているとの事で、今後はそうした活動にももっと注力されるとの事でした。

 二瓶先生の講演は、当会が日頃から強く感じる「ネット保守」を標榜する層(現状では単に相手を思想的立ち場から批判するだけで、実際の政治・選挙にはなんら積極的に関わらない層)と実際に活動されている保守派議員との「政治に対する感覚的な齟齬」が少なからずあることを理解いただくためにも、非常に意義深い講演であったと思います。

(二瓶先生ご自身のブログにも、当日の感想が記されておりますので是非ご覧になって下さい)


(写真右から吉田先生、二瓶先生、中川先生。吉田都議も二瓶区議も、しっかりとブルーリボンバッジをつけておられたのが印象深かったです)

 続いて講演いただいたのは、当会のデモにも何度かおいでいただいている民主党都議会議員・吉田康一郎先生です。

 保守系の民主党地方議員として、民主党の左派的意見に傾きやすい体質を非常に問題視していることや、民主党に多くの人が票を投じた以上、今後は有権者個人個人が責任を持って、また「世論」という形でもって民主党の議員を厳しく査定して行く責任がある事など、民主党良識派らしい選挙戦の総括を頂きました。

 また、実際に政治を動かすためには、「ネット保守派」の人々はネットに閉じこもらず、議員と同じ様な世論喚起(方法としては例えばポスティングなどから、じかに多くの人と面と向かって話し合う事まで)を地道に行い、マスコミが報じないテーマに関しては自分たちで世間に伝える努力が必要であることなど、アドバイスを頂戴いたしました。

 他にも、政治に本格的にコミットする上では、「100の主張」のうちの「51の主張」に同意できると感じる議員を応援する事の大切さや、議員としての自覚を持つ先生は、しっかりと接触すれば真面目に応えてくれる事など、民間のロビー団体でもある当会の今後の方針としても役立つ、非常に示唆に富むスピーチを頂きました。


 三人目の講師は、MIAU理事として近年活発にネットと政治を巡る問題に発言されている社会学者の中川譲先生。中川先生は、昨年の第一回公開勉強会に続いての登壇です。

 近年の総選挙データから、実際には選挙の多くがそのときの雰囲気などに大きく左右され、「政策」でなど選ばれていない現実(オバマ米国大統領ですら、まず政策で選ばれているとは言えない現実)など、非常に社会学者らしいデータも駆使した高所からの分析、また、MIAUの代表の一人として、今後もインターネット規制問題などにおいて、冷静に合理的なデータを提示しつつ、妥当な落としどころを政治的に模索して行く方針などを講演いただきました。

 また、ネット上での政治議論好きの人が好んで使う「マスゴミ」という揶揄表現(ニュアンスとして、既存のマスコミは偏向が多くて信用できず、いうなれば「ゴミ」であり、ネットこそが真実を伝えていると言うもの)にも途中で触れ、ガジェット通信の「地デジカ騒動(「著作権」をめぐる民法連見解の歪曲報道)」を例に、ネットマスコミも充分に「ゴミ」になりえるとする見解を提示いただきました。中川先生の発言は、ネットに活動の軸足を置きリテラシーを重視する消費者団体の理事として「ネット過信」も同時に警戒する非常に筋の通ったものという印象でした。

 コーディネート役の藤原興(名も無き市民の会幹事)からも、登壇いただいた両議員に対して、こうした「インターネット利用を巡る政治的諸問題(有害とされる情報の取り扱いなど)」に関して、言論や表現に深く絡むこともあるので、政治的なレベルでは冷静な話し合いを行って欲しい旨、また「ネット保守」とくくる事が可能な人々の多くが存外に「ネットでの言論、表現」の問題に関しては、名無し会やMIAUに近い考えの人が多い現実も考慮に加えて欲しい事など、改めて申し上げました。

 予定が押してしまい、あまり会場全体での質疑や討論は行えませんでしたが、来場者より議員お二人に「政治献金」の必要性や、「議員としての活動費用」に関して質問があり、両議員から「真面目に政治活動してしまうと、すぐさま議員の給料ではマイナスになってしまう」ことや、「政党助成金は地方議員の活動にはほとんど降りてこない」現実のこと、「(議員の立案能力を向上させるためにも)議員は秘書をもっと雇える様にして欲しい」旨などお話しいただき、議会や民主政治を考える上で示唆に富む内容となりました。

(なお、会場での質疑は短かったのですが、勉強会後に懇親会名目で居酒屋に場所を移し、講師と参加者が集っての熱い政治談義が夜の11時過ぎまでつづきました。)

 名も無き市民の会は、こうした勉強会などを通して、インターネットと保守派政治家を具体的に繋いで行く媒介としての活動にも力を注ぐ所存です。

 次回の勉強会も、どうぞよろしくお願いいたします。

 皆様のご参加をおまちしております。